某S銀行の新しい「パワハラ壁ドン」

突然ですが、私は池井戸潤さんの大ファンです。
下町ロケットはもちろん、半沢シリーズ全巻持ってます。

今回のスルガ銀行をネタに池井戸さんが小説書いたらどんな話になるんだろうな…
笑えない冗談ですが、事実は小説より奇なりということでしょうか。

 

スルガ銀行問題を振り返る

 

スルガ銀行が9月7日付で発表した第三者委員会の調査報告書、
全文は321Pの大作で、要約版ですら17Pに及びます。

夜読み始めたら、生々しくて眠れません…

(それでも池井戸ファンには全文をお勧めしたいですね。)

 

スルガ銀行問題はを振り返ると言いつつ、とても一言では表せないほど複雑です。
当たり前ですね、321P分の物語が詰まっているので。

 

それでも、ごくごくかいつまんで言うと、

  • スルガ銀行は個人に特化します
  • シェアハウスローンを組ませるために、アヤシイ業者と癒着
  • 業者にいろいろ便宜図らせる(書類の偽装とか)
  • だって営業部長が超パワハラ壁ドンで脅しつけてくるから
  • 絶対不可能な営業目標を突き付けられて
  • 営業部長が審査も人事も支配してるし
  • 経営トップは知らぬ存ぜぬだから

 

うわああ…書きながら本当とは思えなくなってきました。

私も仕事柄、たくさんの銀行員の方と同行しますが、
そして亡くなった父も行員でしたが、
ここまでひどくないにしても、
みんな表ざたに出来ない裏事情を抱えたりしているんでしょうか。

「首をつかまれ壁に押し当てられて、顔の横の壁を殴られた」みたいな。
↑私はこれを「パワハラ壁ドン」と名付けることにします。。

まさかね。

 

なんでこんなことになってしまったのでしょう。
どうして誰も止められなかったのか。

こうなるとワタシ的には、真っ先に気になるのが経営理念です。

スルガ銀行の経営理念は表ざたになっていない件

 

スルガ銀行は、どんな理念を掲げていたのかというと、

 

 

残念ながら公式サイトでは触れられていませんでした…

 

ロゴとして、DREAM NAVIGATOR 夢先案内人 とあるだけ。

 

トップページの一番下、
「フィデューシャリー・デューティーの基本方針について」の中で

スルガ銀行(グループ)は、企業理念に基づき「ライフ アンド ビジネス ナビゲーター」として、お客さまの<夢をかたちに>する、<夢に日付を>いれるお手伝いをしていきます。

 

という一文をかろうじて見つけることができました。

 

正直に言います。

 

ふぃでゅ―シャリー??初めて聞く単語です(笑)

 

昨年、金融庁が「顧客本位の業務運営に関する原則」を提言し、
金融機関に対してフィデューシャリー・デューティーを徹底するよう求めているようです。

その柱となるのは、以下3つの基本的な義務。

・善管注意義務

善良なる管理者としての注意義務ですね。
解任された取締役たちがことごとく怠ったとされる注意義務です。

・忠実義務(利益相反防止義務)

金融機関は自己の利益を図ってはならない、
購入者の利益に反する行為をしてはならないということ。
ああ…これも守られなかった義務ですね。

・分別管理義務

顧客資産と自己資産を明確に分ける義務。
ポケットナイナイはダメだよってことですね。

 

そしてフィデューシャリー・デューティーを遂行する上で軸となるのが以下の7原則。

  • 顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等
  • 顧客の最善の利益の追求
  • 利益相反の適切な管理
  • 手数料等の明確化
  • 重要な情報の分かりやすい提供
  • 顧客にふさわしいサービスの提供
  • 従業員に対する適切な動機づけの枠組み等

 

ああ…

高度な専門性と職業倫理を保持していなかったがために、
アパート経営の何たるかも知らないまま融資に走り、

とても返済できない顧客にも、ふさわしくないサービスを提供して、

従業員にはトンデモ営業目標と恫喝という不適切な動機付けをしてしまったんですね。。

 

第三者委員会の調査に見えるスルガ銀行理念の残骸

 

公式に発表していないスルガ銀行の企業理念ですが、
どうやら行内ではOur Philosophy(私たちの価値観)なるものが制定されていたことが、
第三者委員会の調査報告書から分かります。

 

その全貌は報告書をもってしても明らかになっていませんが、
その片鱗を垣間見ることはできます。

 

スルガ銀行は、2000年には「コンシェルジュ宣言」をしています。

「ライフ&ビジネスコンシェルジュとして〈夢をかたちに〉する、〈夢に日付を〉入れるお手伝い」

これを会社のミッションとして定め、

スルガ銀行が社会から期待されている役割は、

人生やビジネスのあらゆるシーンで、「本当にお客さまのお役に立てる存在=コンシェルジュ」になることであると自覚している(!)とし、

その実現のために企業思想・企業理念・経営理念からなる
「Our Philosophy(私たちの価値観)」が作られました。

まじめに実現のための長期経営ビジョンも立てていました。
2015年には2025年を見越したビジョン「Aim25」を公表。

その中で、ライフ&ビジネスコンシェルジュからライフ&ビジネスナビゲーターへと進化を遂げ、
夢先案内人のロゴへと発展したことがうかがえます。

 

事実確認だけで長くなったので、今日はここまで^^;
めっちゃ夜中です。。

 

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