私が中小企業診断士になった理由~その2

 

名刺交換のたびに多くの方に聞かれる、

「診断士って何する人?」
「で、あんた、どんな仕事してるの?」
「なんで中小企業診断士になろうと思ったの?」

 

シリーズでお伝えしている、「私が診断士になった理由~その2」です。

その1はコチラ

 

産休まであと4か月!新入社員の育成はどうする?

 

1度目の育休復帰後の現場研修で、それまであやふやだった工場の製造ラインを再確認出来た私。
開発なのに現場が分からない…というコンプレックスを克服できた経験から、
人材育成や社員教育に目覚めました。

 

2008年入社、つまり直後にリーマンショックを迎えて、
唯一の先輩社員退職後も、不景気で後輩の補充はありませんでした。

長く1人部署を支えた私でしたが、会社もようやく初めての新卒採用に乗り出し、
今ほど超売り手市場ではなかった2012年、初めての後輩が2名入社します。

実は新卒入社直後の8月から2回目の産休が迫っていました。

引継ぎ期間は、わずか4か月。
ゴールデンウイークや土日も挟みますから、実質90日もなかったかもしれません。

社会人としての基礎を身につけた中途社員ではなく、
名刺交換のやり方から教えなければならない初めての新卒です。

長らく欠員補充の中途採用ばかりで、新卒教育に全く不慣れな会社なのに、育成期間90日。
この短期間に、私の代わりになるように育てなければならない。

もちろん、育成のプログラムはありません。

このままだと、いつもの「なんちゃって教育訓練」「とりあえず現場2週間研修」になってしまうことは目に見えていました。

 

現場の若手責任者と育成目的・ゴールを共有

上から「なんちゃって教育訓練」「とりあえず現場2週間研修」がおりてくる前に、こちらから提案しよう。

目的もゴールも曖昧な今までの「とりあえずOJT」では、新卒は潰れてしまう。
絶対に不幸なドロップアウトはさせない。

そのためには、現場の若手にも課題を共有してもらう必要がありました。

まず、今回入社してくるのは、あくまでも開発課の新入社員であること。
育成の目的は、開発課として、試作から実機製造ラインへ落とし込めるようになること。
育成のゴールは、今回は、90日で私の代わりとして開発業務ができること。

つい、あれもこれもと現場の細かい作業を教えたり、
逆に「構ってる暇はない」と放置して、パートのおばちゃんに作業を教わることに終始しても困るのです。

開発課は、工場の製造ラインを理解していなければ、工程設計ができません。
どこに、どんな目的の仕掛けがあるのか、どこでどれくらい滞留するのか、
どんな原料をどんな下処理をして、どんな手作業が必要になるのか、
ポイントをおさえなければ、設計品質と製造品質を一致させることはできないでしょう。

その一方で、細かい手順を覚える必要はありません。

どこのネジをどうやって閉めるとか、配管のつなぎ方とか、機械の動かし方は現場のプロにお任せでいいのです。

トラブルが起こった時は、トラブルの処理手順ではなく、トラブルの原因や対策について教えてほしいのです。

今回は、90日で一人前の開発を育てることが目的でありゴールであること、
そのために必要なことはもれなく、
必要ないことは捨てて育成プログラムを作るという趣旨を共有しました。

 

結果から先に言うと、この二人は後に大掛かりな新規設備導入のリーダー格としてプロジェクトを成功させ、最年少主任にも昇進する有望株に育ちました。

もちろん本人の資質が優れていたことは間違いありませんが、

「新卒を潰さない」

「絶対に有意義な研修にして、90日で育てる」

という意思のもと、教育訓練・入社研修を組み立てなおしたことが、少しは寄与しているはずと信じています。

 

次回は、具体的な研修内容、カリキュラム作りについてお話しします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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