資金よりも人材ショートが怖い時代、人手不足倒産を回避したい

昨日は某金融機関様向けの研修をよろず支援拠点として主催、参加してきました。
事前にアンケートで人手不足問題について話が聞きたいというリクエストがあり、
当拠点の中川美紀コーディネーター(特定社会保険労務士)より、
採用についてお話させていただきました。

中川さんは人手不足対応アドバイザーでもあり、
人財労務コンサルタントとしてご活躍されています。

今日は人手不足問題についてのミニセミナーの内容をシェアしますね。

 

採用問題が解決しない時代の「採用」とは

最初に、とても怖いことですが、今は「採用問題が解決しない時代」と言われています。
資金ショートだけでなく、人財ショートで企業が倒れる時代です。
ちょっと前までは、どの媒体がいいとか、コレに載せれば応募が来るといった単純な解決策もありましたが、
今は媒体や経路に正解がありません。

新卒採用に関してはいわゆる経団連ルールが廃止され、今後の動きはますます見通しが立たなくなってきています。

また、働き方も価値観も多様化し、何が応募者に刺さるのか分かりません。

コミュニケーション手段も変わってきました。

ほとんどの人がスマホを持ち、もはやメールも見ない人が増えています。
電話もしなくなりました。
電話を廃止した会社さえあるくらいです。
顧客とのやりとりもメッセンジャー等のアプリで済んでしまう。
実際、少し前なら信じられなかったことですが、
私自信もお客様とメッセンジャーというパターンも増えてきました。

そんな今、採用でもっとも重要なことを一言でいうと何か?

待遇でしょうか?
柔軟な働き方をアピールすることでしょうか?
リファラル採用のような、紹介したくなる会社にすることでしょうか?

 

採用とは、求職者に会社や求人内容をどう認知させるかの競争

中川さんは、どこに何を載せようと、それが求職者に認知されなければ無駄だと言います。
見つけてもらえなければ、ナイのと同じ。

それはあらゆるマーケティング活動とも通ずるものですね。

ターゲット別にどんな媒体や表現を使うのか、きめ細かく戦略を立てなければなりません。
場合によっては、折り込みや張り紙が有効なこともあります。

では、どんな求人内容なら刺さるのか?
入社したくなる企業とはどんな会社なのでしょうか?

もちろん、それは個人によっても、正社員なのかパートなのかによっても異なりますが、
ごく一般的に言って、以下が挙げられました。

①ほとんどの社員が常識的な労働時間であること
業種業界によっては、朝が早いとか夜が遅いとか様々かと思います。
そこはどうしようもないとしても、朝早くから夜遅くまで…は今はあり得ないということです。
早番、遅番があったとしても、労働時間が常識的な範囲であることは重要です。
早番だと、午後はパパが子供の参観日にも行けるようになって嬉しいという声もあります。
夕方の時間を習い事や自己研鑽に使えるメリットもありますね。

②人を育てる仕組みがあること
若い人は、成長意欲が高く、「育ててほしい、成長させてほしい」と思っているという調査結果もあります。
この会社でどんなスキルが身について、何歳くらいでどんな風になれるのか、
イメージできない会社は選ばれにくいのです。
逆に仕組みがある会社はアピールしたほうがいいですね。
評価制度や賃金の仕組みが明確だとやりがいも感じられ、納得感も高くなります。

③給料は高くないが、社風がとてもいい
以前にも書きましたが、
内定辞退の理由は、「他社のほうが条件がいい」というのが最多です。
予想通りです。
※「6月1日時点で内定率65.7%!就活終盤、内定辞退を防ぐには?」はコチラ

しかし、内定企業への不満(足りないと思うところ)も条件面です。
そして内定企業への満足理由は「雰囲気・人柄」が最多という面白い結果があります。
つまり、社風の良さでリードできれば、条件がよっぽど悪くなければ選ばれるのです。
給料をつり上げても、待遇面で完全に満足させることは出来ないとも言えます。
社風がとてもいい会社は、写真などで雰囲気の良さを伝えましょう。
若手社員は人付き合いを避け、飲みニケーションを嫌うと決めつけず、
もし行事や飲み会が盛んならそれもアピールすればいいと思います。
もちろん、そういった雰囲気が苦手な方は応募しませんが、
好きな方は応募動機になりえます。
ちなみに、新入社員が入社後に驚いたことの中には、
「あまり飲みに誘われない」
「プライベートのことを聞かれない」
がランクインしています。
※今年の新入社員のタイプは?「SNSを駆使する●●タイプ」はコチラ

有給取得率や育休・介護休の取得率が高い、
復帰者が多くて肩身の狭い思いをしなくてよい、というのもポイント高いようです。

④非金銭的報酬がいろいろある
難しいからこそ挑戦したい、難しいからこそやりがいがある、と感じる人もいます。
♪誰にでもできる簡単なお仕事です♪というのもいいけれど、
仕事の難易度の高さがインセンティブになることもあるのです。
特に技術系の人にそういう傾向がみられるということでした。

採用がゴールではなく、優秀人財の定着が必須

最後に、当たり前のことですが、
採用はゴールではないという念押しがありました。
離職率が高いまま採用を頑張ってもザルで水をすくうようなもの。
やはり、優秀人財の定着が欠かせません。
定着する仕組み作り、そのための育成が必須です。

裏を返せば、業務効率化のチャンスでもある人手不足問題、
今いる人財が働きやすくなる環境づくりや、
業務改善に挑戦することも必要でしょう。
それこそが、人材育成の一つの施策でもあります。

 

 

 

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