理念で飯は食えないのは●●だから

実はあまりブログのアクセス解析などはできていないのですが、
(本当はしないといけないですね^^;)
どんな検索キーワードで見つけていただいたのかは分かるようになっていて、
「理念で飯は食えない」が入っていたので面白いなと思いました。

たしかに理念を掲げたら自動的に売上が上がるわけないですよね。
理念に沿ってビジョンが作られ、その実現のために戦略が立てられ、
その実行のために組織が作られ…と現場に落とし込まれていかなければ、
文字通り「絵に描いた餅」でしょう。

理念で飯が食えないのは、
理念が壁に掲げられたまま止まっているから、だと思います。

 

絵に描いた餅を食える餅にするには?

絵に描いた餅から、実際に食える餅を作り出す。
そのためには設計図・工程図が必要です。

工程にはスタートがあります。
どこからどうやって、目的の成果を生み出すのか。

ビジョンは目的地だとしたら、現状は出発点。
この現在地の把握のほうが、認識がズレることがよくあります。

たとえば、飲食店で原価率を訊きます。
みなさん「だいたい3~4割」と答えが返ってきます。

だけど、決算書では5割だったり。

経営を圧迫しているのは人件費でも光熱費でもなく、
材料費だったということになりますね。

 

現在地が分からないと目的地には行けない

 

たとえば今日お伺いした飲食店でも、不振の原因が分からずにいました。
決算書は黒で、飲食店なので売掛もほとんどありません。

でも、資金繰りが苦しい。

詳しくお聞きすると、現状が分からないということが分かってきました。
細かいメニューのすべての原価を把握しろとは言いませんが、
メインメニューの原価も分からないのは少し危険かもしれません。
POSレジではないので、レシートにも「商品」「飲み物」としか記載されず、
何が実際売れているのかは肌感覚でしか分かりません。

仕入にも課題がありそうでした。
職人肌のスタッフが多め多めに発注してしまう。
「これ、今仕入れなくていいのに…」というものも発注してしまう。
小分けで仕入れられるものも、ケースで仕入れてしまう。
だけど、実際ロス率がどれくらいあるかも分からないといいます。

こういう例は極端かもしれませんが、実際にあるんですね。

Aさんが調理すると、刺身も分厚くてツマもたっぷり。
切れ端はサービスで付けちゃう。
Bさんは薄くスライスし、ツマも適量。

工業製品のようにピッタリはいかなくても、
あまりにもバラつきがあるようだとお客様にも分かってしまいますし、
そのメニューの正確な原価も出せません。

何が問題なのかという現在地が分からなければ、
理想の未来という目的地にたどり着く手段が分からなくなってしまいます。

 

何のためにデータを取るのか

客数についても、ノートに手書きで日計表をつけているのですが、
集計などはとくにやっていないとのことでした。
これも支援機関に言われてデータを取るようになったらしいのですが、
全く活用されていなかったのです。

データは何かを把握するために取っているはずです。
何らかの情報・傾向を読み取って次のアクションに活かすためのものです。
手書きなので、ぱっと見では読み取れないし、何も言いようがありません。

不振の原因は、お客様の数自体が減っているのか、
減っているとしたら昼なのか夜なのか、
あるいは客単価が下がっているのか、
どっちも減っているのか、
現状を把握しなければ次にするべきことが見えませんよね。

せっかく毎日記入しているのに、活かさないともったいないです。
単に余計な作業をしていることになってしまいます。

 

今日は実務的な話になりましたが、
結局理念やビジョンも同じで、「飯が食えないハナシ」ではないのです。

ビジョンは確かに、会社によっては抽象度が高い表現になっていますが、
それを具体に落とし込めば実現すべき事業計画になるはずです。

銀行からお金を借りるために書く事業計画ではなくて、
現場のみんなが「絶対実現したい」と思うようなビジョンをともに描き、
「絶対実現できる」と思える計画にみんなで落とし込む。

これはとても愉しいだけでなく、どんな会社にも必要なことだと思っています。
ナカミ創研では、チームが動き出すビジョンデザインのお手伝いをしています。
お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

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