働き方改革は『子育てしやすい社会』につながるか?

 

前回のブログで、まるで働くママを攻撃するかのような書きぶりになってしまいましたが、
けしてその働き方を否定する意図はありません。
同じ働く母として、素晴らしい取り組みだと思いますし、働き方改革としてむしろ大賛成です。

ただ、テレビ的演出だったのかもしれないけど、ラフすぎる普段着で堅い会社に「こんにちわー」と会社訪問したり、
製造業の現場にヒラヒラロングスカートの大群で押し掛けるのは、相手に対する配慮に欠けるんじゃないかなーと思った次第です。

色々な角度からの働き方改革が進んで、『子育てしやすい社会』にもつながってほしい。
だからこそ、「これだからママは…」と思われないように意識したいのです。

 

『子育てしやすい社会』を履き違えてはいけない

 

そんなわけで最近は、いわゆる「ママ」も仕事への意識が高いのでビジネス系のセミナーにも、
自分も含めママさんがいらっしゃるようになりました。

いかにもママさん向けのセミナーなら託児付きのことも多いですが、
いわゆる普通のビジネス系セミナーは子連れを想定していないので託児付きではないのが普通ですね。
そうなると、会場に子供同伴で参加することになります。

先日参加したセミナーでは、会場の後方で2歳くらいの子が走り回っていました。
普通にご機嫌なうちはいいのですが、そのうち興奮してきてはしゃぎすぎ感が溢れてきました。
奇声を発しながらパイプ椅子を倒したり、なかなかの暴れっぷりです。
お母さんは慌てず騒がず、「シ~」と声をかけつつも部屋を出る気はないようです。

ちょうど、講師とゲストの対談中で、台本なしのぶっつけ本番なのに集中できなかったのではないかと思います。
みんな大人の対応で優しいから、まるで何事もないかのようにセミナーを進めていたのですが…

子連れでもセミナーに参加できる、子育てしやすい社会なのかもしれない。
誰も咎める人もいない。
だけど、そういうことじゃないだろうって思います。
子育てに寛容な社会であってほしいけど、当事者である私たちが「当然でしょ」という態度でいいとは思えない。

何日も前から分かっていたセミナー、なぜ預けてこなかった?
子連れOKの子育て系セミナーじゃないのに?
同じ母として私のほうがソワソワドキドキしてしまいました。

“大人の場”に自然に子どもがいる社会をつくるもの大事かもしれない。
社会で子育てする意識の醸成とか、子供の安心感とか、色々メリットもあるでしょう。

子持ちはセミナーに来るなと言いたいのでは決してなく、
むしろどんなセミナーでも託児付きでママさんウェルカムにするとか、
別室でモニター中継で見れるとか、動画配信で自宅参加できるようにするとか、
保育士さんの人材を厚くして土日でも預けられる保育園が充実しているとか、
ビジネスの現場に子供を連れて行かなくても済むようになればと思います。

 

“子連れ出勤”は親にも子供にもいいことはない

自分の経験から言っても、子連れで仕事ってはかどらないです。
大人同士が話していると、ほぼ例外なく、子どもは必ず割って入ります。
親の関心が自分に向けられていないことが不安なんでしょうね。
「ねえねえ!見て見て!聞いて!あのね!」が始まります。
怪我がないように、人に迷惑かけないように、常に目の端で子どもを捉えていなければならない。
打合せの途中で「あー!コラ!ダメ!」となります。
子どもが迷惑な存在と言いたいのではありません。逆です。

子どもだって、あれもダメ、これもダメ、静かにしろと、ずっと言われ続けることになります。

「預けるのがかわいそう」なんじゃなくて、
「預けないのがかわいそう」
だと思うんです。

松本市の保育園には、普通の参観ではなく、保育士体験として保護者がクラスに入る「保育参加」という取り組みがあります。
2年連続で参加しましたが、保育士さんの仕事はハンパないです。
全力で子どもたちに向き合って真剣に遊んでくれます。
子どもたちも、外で思いっきり走り、跳び、叫び、全身で遊びます。

仕事の片手間に上の空で相手するんじゃないんです。

自分じゃできない、毎日の散歩やプールや泥んこ遊び…
保育士さんたちには本当に感謝しかないです。

職場やセミナーに連れてくれば、幼いころから仕事に触れる体験はできるでしょうが、
その年齢ならではの、もっと他の体験すべき遊びが山ほどあるはず。

政府が「子連れ出勤を推進」なんて動きもありました。
「やむを得ない時には子連れOKだよ」という姿勢はイイと思うのですが、
国に“推奨”されるのは違和感があります。

世の中には「子連れで商談OKじゃない会社とは取引しない」というくらい徹底した子連れ出勤の会社もあるようですが、
人によっては仕事時間は、子どもと離れられる大切な“大人時間”でもあります。
育休から復帰した時、「誰にも邪魔されずにご飯が食べられる…」と感激するほどうれしかった。

どんどん多様性が広がり、価値観が変わり、働き方も生き方も大きく動く令和の時代。
オン・オフを明確に分けるワーク・ライフ・バランスではなく、
仕事も趣味も私生活も融合して人生丸ごと充実させるワーク・アズ・ライフといった考え方も定着してきました。
育児を取り巻く環境も大きく変わりますが、子どもがいる人もいない人も、お互い気持ちよく生きられる『子育てしやすい社会』を実現したいですね。

 

 

 

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