ものづくり補助金、今年はどう変わる?

 

 

私たちは各種補助金についてもお手伝いすることが多々ありますが、
中でもご相談が多い3大補助金として、いわゆる「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」があります。

平成30度第2次補正予算および平成31年度当初予算では、
この3大補助金は「中小企業生産性革命推進事業(通称:生産性特別補助金)」として一本化されることになるようですが、
「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」という3つの枠組みは残るようです。

出典:経済産業省(「平成30年度2次補正予算案」及び「平成31年度当初予算案」について(中小企業・小規模事業者関係)(PDF形式:461KB)PDFファイル

 

それぞれどうなるのか見てみましょう。

★ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)

中小企業の生産性向上に資する革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等への支援です。
認定支援機関との連携が必要です。

「一般型」「小規模型」「企業間データ活用型」があります。

小規模型は設備投資をしない試作品開発も支援します。

「革新的」というのが申請書を書く時にも皆さんが悩まれるところですが、
簡単に言うと「自社にもなく、他社でも一般的でないこと」です。
唯一無二である必要はないけれど、業界ではまだ珍しいくらいの位置。
設備が最新型かどうかの問題ではなく、導入する設備を使って、
今はないどんな新しい商品やサービスを開発するのかを描く必要があります。

切れ目ない継続的な支援措置を講じるためにということで、
平成31年度にはじめて当初予算化されました。
平成30年度第2次補正補正では、800億円規模で「一般型」と「小規模型」の2つが中心になり、
平成31年度当初予算では50億円で「企業間データ活用型」が中心となるようです。

・一般型:補助上限額1000万円(補助率1/2)、

・小規模型:補助上限額500万円(補助率1/2、ただし小規模事業者は2/3)

※平成30年12月21日以降の申請、承認・認定を受けた経営革新計画、先端設備等導入計画がある場合は補助率2/3

※補助金事務局は1月31日に、例年通り全国中小企業団体中央会に決まりました。
早ければ2月中旬から1次公募スタートする可能性があります。
また、公募期間は約2か月、できれば年度内に採択発表、夏以降に2次公募、と明記されています。

公募期間2か月で年度末採択発表というスケジュールを考えると、1次公募は1次〆切、2次〆切が設けられる可能性が高いですね。

また、採択予定は1万社程度とのこと。
全体の予算は1000億円から850億円に減っていますので、
採択率は5割くらいになるでしょうか。

 

★小規模事業者持続的発展支援事業(小規模事業者持続化補助金)

小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって取り組む販路開拓や、
生産性向上の取組等を支援します。
目標は約2万者と明記しています。

補助上限額は50万円、補助率2/3は従来までと変わりません。

興味深いのは、地方公共団体による小規模事業者支援推進事業という新規予算です。

小規模事業者が商工会・商工会議所と一体となって取り組む販路開拓や生産性向上
の取組みを都道府県が支援する際、その取組みを支援するという事業が新規で10億円計上されていることです。
例えばどういう状況かいまいち私にはピンときていないのですが、
事実上の持続化補助金2次公募のような位置づけになるのでしょうか。

出典:経済産業省「地方公共団体による小規模事業者支援推進事業」

 

★サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助)

平成29年度補正は上限50万円、下限15万円、補助率1/2と少額で、
ちょっとしたホームページ開設などには使い勝手が良かったかと思いますが、
ちょっとしたシステムには全く焼け石に水の補助金でした。

平成30年度補正では、上限450万円、下限40万円と一気に大型案件化します。
最低でも80万円のITツールを導入しなければならないので、
ちょっとしたホームページなどには逆に使いづらくなるでしょう。
平成29年度のように、予算が余って(あくまで噂です)申請すればほぼ100%通るような補助金ではなくなり、
それなりのシステム導入を狙った申請が増え、競争率が高くなると予想されます。

ちなみにIT導入補助金は、申請書を自分で書かなくよい珍しい補助金です。
申請書は、導入するITツールの提供事業者が書きます。
去年までは、オーダーメイドのシステムには適用できず、
パッケージシステムで販売実績があるものだけが対象でした。
今年もおそらくそのあたりは大きく変わらないと思われますが、注視しましょう。

出典:経済産業省「平成30年度第2次補正予算案の概要(PR資料)」

 

同じ補助金でも、名称も内容も少しずつ変わるので、
公募要領は今年のものをちゃんと読み込む必要がありますが、
去年の公募要領で早めに予習し、だいたいのボリューム感や内容について把握しておきましょう。

 

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