なぜ、何のために、を共有し続けることが協力者を生む

世の中には色々な団体や研究会があり、その多くが会員増強を目標にしていると思います。

企業によっては無駄な人員を増やさない努力をしているところもあるでしょうし、
団体によっては少数精鋭で、本気度の低い人を入れないポリシーのところもあるでしょう。

会費を徴収する団体の場合は、会員増強は収入増に直結しますし、
人が多いと、単純に活気が出ることも確かです。
わが中小企業家同友会も会員増強を目標の一つにしています。
しかし、「会費が欲しいから入会してください」とは言えません。
「支部目標が〇人なので、是非入会してください」とも言えません。

「あのう、そもそも、そんなに会員を増やしたいのはなぜですか?
少数精鋭じゃダメなんですか?

あらためて、なぜ会員を増やしたいのか、支部幹事会で聞いてみました。

 

強い理念のもとにそれぞれのビジョンが描かれる

 

会議の時間が押している中、新旧支部長やベテラン幹事の方々が、
お一人ずつ思いを語ってくださいました。

「持論だけど」と皆さんおっしゃいますが、根っこは同じ。

同友会3つの目的の中でも、「よい経営環境を目指そう」
地域に、労使見解に基づく「人を生かす経営」をする会社が増えれば、地域がよくなる。
地域の雇用を支える中小企業が活性化しなければ、地域は衰退する一方だ。
地域をよくするために、同友会の運動の輪を広げたい。
そのためには、数の力ではないが、政治力をもつ団体として働きかけることも必要だ。
大きな団体になれば、報道もされるし、学校や金融機関との連携も強くなる。

同友会の理念が広がり、同じ思いを根っこに持つ経営者が増え、
きらりと光る中小企業が地域に増えることで、地域が活性化していく。
そんなみんなの力で政治をも動かしていく。
それが巡り巡って、さらに地域のためになる。

そんなビジョンを持っておられることがよく伝わってきました。
たぶん、こんなことを語り合う場もそうそうなかったと思いますが、
あらためて言葉に出してもらうと、単純な私なんかは「協力したい!」と動かされました。

中の人には当たり前になっていることも、
やはり言葉に出して「なぜ、何のために」を伝え続けることで、
協力者は増えていくと思います。

 

まずは既存会員にとって魅力的な会を創り、渦に巻き込んでいく

 

長野同友会松本支部の新支部長は、ご存知(株)ウェブエイトの草間社長です。
まだ若い創業社長でいらっしゃいます。

長野同友会の中でも、松本支部は会員数をかなり減らしてしまいました。
それでも100人近い会員を抱えていますが、
私が入会してから1年弱の間、例会に参加する人はほぼ決まっていたように思います。
(私はかなり出席率イイんですよ!
小5の娘に家事&育児を仕込んだので、夜の会合もOKなんです)

まずは既存会員の満足度を高めない限り、紹介にもつながらないし、
いくらゲストを連れてきても活気のない例会では入会にはつながらない。

既存会員が参加したくなる例会をつくろう。
例会の内容も、討論の質も、場の雰囲気も盛り上げていこう。

そんな新方針が示され、私は新設された「総務幹事」というお役目を頂戴しました。

これまで歴代支部長がせっかく色々ないい取り組みをしてきたことが、
ドキュメントとして残っていないために、新支部長は毎回ゼロから作る苦しみを味わうそうです。
これはとてももったいない。

そして私自身が何かの役員になるたびに思うことですが、
会の全体像や個々の役員の立ち位置、役割が分かりにくいのです。
中にいる人には当たり前になっていることが、新人には分からない。
そのため、馴染めなくて退会する人もいるのかもしれません。

こまごまとした事務的なことはともかく、
大きな俯瞰図を描くこと。
暗黙知になっていることを見える化していくこと。
そんなことを期待されているんだと思います。

以前、函館支部の青年部例会に参加した時に感じたことは、
「みんな本当に仲がいいな!」ってこと。
ここは高校の同窓会か?と思うような盛り上がり、懐っこさ、距離感。
思わず一緒に2時まで飲んじゃったくらい、とにかく楽しい場でした。
松本支部も、長野同友会も、あの熱さ、楽しさがもっと必要だと思います。
「とにかく楽しいから行く!」となるような。
そんな勢いのある会なら、周りの人もどんどん渦に巻き込まれて入会するんじゃないかな。

 

同友会は会員同士の取引関係に直結する場ではありません。
だから、何か見返りを期待して入ってくる人は退会してしまうかもしれません。

ビジネス上の成果を出すためのテクニックやノウハウを学ぶ場でも、
自己啓発系のセミナーでもありません。
だから、払った会費以上の短期的成果を求める人にも合わないと思います。

漢方薬のように、じわじわと体質改善していくんです。
本質的な学びに満ちているんです。
それを、不平不満ばっかり言ってるんじゃなくて、
本当に前向きで明るい経営者の仲間と、大切な社員と共育ちしていく場です。
個人事業主でも社員の立場でも参加できる、学びの場です。
その場に浸かっているだけで、力が湧いてきます。

今回、草間社長が直々に声をかけて幹事になり、
各委員会の委員長や副委員長になったユーレイ会員の方(失礼!)もたくさん掘り起こされました。
ベテラン会員の先輩方を顧問として頼りつつも、
新しい仲間と新しい松本支部を創っていくのが楽しみです!

 

 

 

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