正解のない時代のサービス業に求められること

GWも終わりましたね。
10連休だった会社もあれば、途中に出勤日があった会社、
あるいは飲食・サービス業など書き入れ時でフル出勤だった会社など様々でしょう。

ナカミ創研は通常業務はお休みさせていただきましたが、
水面下では仕事を進めておりました。
皆様にもっと喜んでいただけること、結果を出していただけることを考えています!
まもなく発表しますので、楽しみにお待ちくださいね。

さて、連休中には外食も増えますよね。(飲食業の皆様、本当にありがとうございます)
私も子どもたちを映画に連れて行って、カフェで休憩を取りました。
○○ラテ、△△ラテ、等おいしそうな飲み物がたくさんです。

しかし小1の息子のリクエストは、「普通の牛乳がいい!」
メニュー表には見当たらないので、店員さんに聞いてみました。
「牛乳って出していただけますか?」

ラテメニューが充実しているのだから、食材として牛乳があることは確かです。
何か小難しいメニューアレンジをリクエストしているのではなく、
ただコップに注ぐだけで完成する、いわゆるMilkのこと。
もちろんラテ料金を払う意思アリでお願いしましたが、、、

答えは「NO」でした。

メニューにないものをリクエストされたら、どう対応しますか?

 

これ、一律に答えを出せない問題だと思います。
居酒屋さんなどでは、メニューにない飲み物を頼んでも対応してくれることもありますよね。

「マンゴージュースじゃ甘すぎるから、ソーダ割りにして」
「この梅干し(おにぎりに付属していたもの)でサワーにして」

片っ端から対応していたら現場が大変なことになるから絶対ダメ、
値段がつけられないからダメ、
レジシステムで処理できないからダメ、
常連さんはいいけど一見さんには対応できない、
できないことは仕方ないけど、できることは対応しましょう…等々

色々な考え方があり、それはお店によって違って当然だと思います。
私も、このお店にクレームをつけたいわけでは決してありません。

問題は、何があっても、その場その場で現場のスタッフが自律的に対応しなければならないということです。
毎回いちいち店長や社長が出ていくわけにはいきませんからね。

 

「お客様が割り箸を欲しいと言っていますが」

 

ある旅館では、大卒の社員から「お客様が割り箸を欲しいとおっしゃっていますが、差し上げてもいいですか?」と指示を仰がれたことがあるそうです。

すごくガッカリしたと同時に、「このままではヤバイ」と指示ゼロ経営のセミナーを受講されました。
「本人にとっても、こんなことまで聞く仕事は面白くもないだろう」と。

※『指示ゼロ経営』は米澤晋也さんが提唱している経営手法で、当研究所は許可を得て表記しています。

ちなみに私はマニュアル化を推奨しています。
長野県中小企業家同友会が毎月発行する広報誌「へりぽーと」でも、
新コーナー「経営のためのワンポイントアドバイス」に寄稿させていただきました。

いわゆる「マニュアル人間」という意味ではなく、
マニュアル作りを通して、自分たちの業務を見直したり、バラつきを抑えたり、
なんとなくこなしていた作業の意味を理解することにもつなげることが目的です。
作業効率向上にも人財の定着率アップにもマニュアル化は欠かせません。

ナカミ創研では、どうやってマニュアルを作ればいいか分からない企業様には
マニュアル作成もご支援していますが、
けしてこちらが作業を観察してマニュアルを作る…という一方的なものではなく、
社員さんが主体となったマニュアル作りをご支援することで社員教育につなげるというサポートです。

ただし、マニュアル化できるのは作業だけです。

 

サービスの本質はマニュアル化できない部分にある

 

多くのサービス業、接客業にも、ある程度のマニュアルがあると思います。
飲食店なら、お皿の配置や、おしぼりの位置、お冷の出し方などです。

しかし、それはサービスそのものではなく、分解された作業です。

サービスの本質はお客様1人1人に対する個別対応の部分にあるので、
全てのケースを想定したマニュアルを作ることは不可能だからです。

唯一の正解はないのです。

個別対応といっても、フルオーダーのような提供物のカスタマイズについて言っているのではありません。

フレンドリーに対応してほしいお客様もいれば、
極力ビジネスライクにほっといてほしいお客様もいらっしゃいます。
雰囲気を察し、行間を読むという高度なコミュニケーション能力が求められます。

その能力を発揮するためには、現場に自律的に動ける裁量が任されていることが必要だし、
どんなお客様をどんなふうに喜ばせるのが当社の使命なのか、
いわゆるミッション、ビジョンが共有され、腹落ちしていないと難しいと思います。

正解のない時代のサービス業に求められること、
それは理念の浸透、ビジョンの共有と自分事化、
そして失敗や試行錯誤を含めて現場に権限を委譲するトップの覚悟だと思います。

 

 

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