昨日は、お客様でもある洋裁教室のクリスマス会に参加してきました。
普段交流のない、他の生徒さんとも「はじめまして」で美味しいお料理をいただきました。
未就学児参加不可の大人のお店で、小学生のお嬢さんたちもお母さん手作りのワンピースでちょっとおすまし。
とても微笑ましい光景でした。
ブルーオーシャンで想いを届ける
ひとしきり飲んでしゃべって、1人ずつ自己紹介を兼ねて洋裁教室に通うようになったきっかけも話しました。
想いはそれぞれ。
「他にめぼしい教室がなかった」
というのも大きな理由の一つで、これは逆に地方ならではのアドバンテージでもあります。
完全なるブルーオーシャンで、価格競争に巻き込まれないポジションを確立されています。
田舎で誰もやっていないことを始める勇気と、
「こんなの欲しかった」というニーズマッチの大切さを改めて感じました。
「ここにはミシンで縫うだけじゃない何かがありますよね」と興奮気味に話す皆さんの熱い思いが共鳴して、
とても温かい空気が流れる会でした。
私が特に印象深かったのは、
「テレビ等を見ていても、洋服に対する感じ方、価値観が変わった。素敵だと思うものが増えた。」という方。
ミシンで洋服や日用品を縫うという技術の習得や、具体的な成果物だけがこの教室の提供価値ではないのです。
考えれば当たり前の話で、単にモノとしての成果物が欲しいなら、何でも売っているこの時代に買えないものはないのです。
自分のために、子どものために、孫のために、
手を動かして心を込めて物を作るという贅沢な時間。
心弾む素敵な作品に囲まれたアトリエという空間。
ものづくりが好きで、洋裁が好きで、この教室で学びたいと集まる前向きな仲間。
目に見えるものから見えないものまで、オーナーの想いを確実に受け取って、
価値観まで変わっていくんですね。
ブランド生地へのこだわりではなく、洋裁の楽しみを広めたい
私も含め、本当の洋裁の初心者は何も知りません。
ミシンはどれがいいかなんてことはもちろん、
有名なリバティというブランド生地も知りませんでした。
この教室のコンセプトは、デザインよりも品質と機能性重視というところにあります。
よって、安く仕上げるためになるべく安い生地を使うといったことはしません。
オーナー自身もリバティ好きで、自然と商品もリバティ使用のものが多いですが、
「それがコンセプトだから、曲げないほうがいいんじゃない?」というご意見が出たときに、
「リバティにこだわってるわけじゃない。私は洋裁の楽しみを広めたいから洋裁教室をやっている。」
と言い切ったことにも感銘を受けました。
これが経営理念。
ブランド生地使用のお高い商品、お高い教室をやりたいのではなく、
あくまで「洋裁の楽しみを広める」ことが目的。
だからこそ、入門レベルの人にいきなり高い生地を提案するのではなく、
まずはお手頃で品質のいい生地を使って洋裁の世界に触れてもらい、
気に入った方にはリバティも選択肢として提示するという流れでレッスンが進んでいくのです。
ブランドの世界観にたまたまリバティがマッチしているだけで、けしてリバティを使うことがコンセプトではない。
その熱意、想いを受け取って、経営理念に共感して多くのお客様が集まってきているのです。
そのことに、お客様自身も実は気づいている。
「この教室には縫うだけじゃない何かがあるよね」
「価値観が変わった」
という言葉が証明しています。
この想いを発信し続けて、理念に沿った行動をし続けて、
共鳴するお客様がどんどん集まり、愛される教室として着実に育っています。
経営理念は、自社の社員に浸透させて日々の仕事の判断基準に使うだけでなく、
共鳴共感するお客様も連れてきてくれます。
お客様から選ばれるためにも、理念を具現化して発信していく必要があります。
そして理念を体現するのは、やはりサービス現場のスタッフです。
ということは、やはり経営理念を現場の隅々まで浸透させることがとても重要だということになりますね。
すべて巡り巡っているんですね。