自律型組織の『学び合い』で例会は活性化し、グループが賢くなる

 

経済団体には色々ありますが、私は中小企業家同友会に所属しています。
同友会には、例会やフォーラム等の定例的な会合、行事があります。
報告者(発表者)の報告を聞いたあと、各グループでテーマについて討論し、グループごとに発表します。

これだけ聞くと、まあまあよくある参加型のセミナーに似ていますよね。

しかし「同友会の本質は例会」と言われるくらい、この『学びあい』に意義があるんです。

 

正解や結論を求めず、「気づき」と「明日からの実践」を持ち帰るのが例会

先日、このグループ討論の仕切り役となる「グループ長」の研修がありました。

グループ長デビューに向けて、例会とは?室長とは?座長とは?
そもそもの定義から学びます。

グループディスカッションが盛り上がるか、有意義なものになるかは、グループ長の進行にかかっています。

グループ長はいわゆるファシリテーター役ですが、普通の会議と違うのは、
例会ではグループの結論を出すことが目的ではないところ。

普通、ファシリテーターはグループとしての結論導出や合意形成が求められると思います。
結論を出さない会議なんて、生産性が低くてみんなが参加したくないタイプの会議ですよね。

しかし、同友会のグループ討論ではそもそもメンバーに報告(発表)の感想すら聞きません。
報告者の評価は要らないという観点からです。
“単なる感想”と“気づき”、切り分けが難しい概念ですが、
先日のグループ討論では「自分(自社)と照らし合わせる視点」があるものが“気づき”ではないかという定義に落ち着きました。

「自分だったら」「自分の会社だったら」と当てはめたときにどんな発見があったのか?
グループ討論では、互いに学び方も違う、学ぶポイントも違う仲間の意見を、
広げたり絞ったりしつつテーマを深掘りしていくことで、
参加者共通の課題が浮き彫りになったり、時には意見が食い違ったりしながら、
1人では気づけなかった学びを得て、本質に近づいていくんだと思います。

そのうえで、参加者が「じゃあ、明日からこうしよう!」とやる気がみなぎること。
「今日は来てよかった」と心から思えること。

それが例会の醍醐味であり、目的であり、グループ長に求められる役割です。
既存会員が満足すればするほど紹介も増え、会員数もおのずと増えると思います。

 

指示ゼロ経営の自律型組織に必要な『学び合い』と同友会グループ討論の本質は同じ

同友会のグループ討論は、グループ長がファシリテーターを務めますが、
メンバーとの間に上下関係はありません。
グループの中に年長の方、ベテランの方、経営者、社員さん、中堅企業、零細企業…
色々な方がいますが会員は皆平等という立場です。

誰に遠慮することなく、本気・本音で討論するからこそ、様々な角度からの学びを共有することができます。

翻って自律型組織でも、リーダーが個々のメンバーに関与したり指示を出したりしません。

仲間同士で『学び合い』をします。
1:1でも1:多でもなく、多:多の関係です。
そのほうが学びの数が多くなり、教える人が一番学ぶという原理原則によって集団は賢くなっていきます。

正解のない時代に、リーダー1人が常に正解を示し続けることは不可能です。

リーダー1人で考えるよりも、集団で『学び合い』をしたほうが早く最適解に辿り着きます。

このことを実体験できるゲームを入れた研修もあるのでぜひ社員さんに受けていただきたいのですが、
この『学び合い』と、同友会のグループ討論の本質は同じだと思っています。

そのためには多様な意見が引き出しやすい環境整備も必要です。

つまり、何を言ってもバカにされたり怒られたりしないという「心理的安全性」が確保されていること。

初対面の人同士でも、年齢や会社の規模が全然違っていても、
集団として賢くなるには反対意見も含めた多様な意見が必要です。
グループ長には場を安心安全にメンテナンスする役割もあるってことです。

 

6月8日(土)の青年経営者フォーラムで、私もグループ長デビューをするかもしれない(補欠)のですが、
グループメンバーが本気本音で語れる例会にしていきます!

 

 

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