伝えるのではなく『伝わる』~通る申請書5つのコツ

 

IT導入補助金の二次公募が始まりました。
こういう仕事をしていると、補助金の審査員の方ともお話する機会がありますし、
自分もたくさんの方の文書を添削する機会があります。

もちろん私もけして文章が上手ではありませんが、
様々な人の文章を読むというのは大変勉強になりますね。

よく言われることですが、審査員も人間です。
手書きならきれいな字、読みやすい字に越したことはないし、
PCで作成した文書であっても、読みやすい文章のほうが響きます。

これは、経営理念であっても事業計画であっても同じこと。

では、人の心を動かす(申請が通る)文章ってどんな文章なのでしょうか。

 

通る申請書を書くコツ① 最低限の日本語リテラシー

まず、公式の文書で誤字脱字や、埋めるべき項目を埋めないのは言語道断。
「付け焼刃でものすごく焦って書いたんだろうなあ…」というのが見え見えです。
ちゃんと公募要領を読んだのか?理解できてるのか?と思われてしまいます。
印刷しないと目に付きにくいミスってけっこうあります。
一度、プリントアウトして複数の目で校正することをお勧めします。

中途半端な惜しい慣用句や熟語などもやめておくべきです。
意味を履き違えて使っている日本語。
幼稚に見えてしまいます。
公的な文書で「○○したいなぁと思います。」といった表現もしかり。
「ん?」と引っかかるような文章は、読みづらいのでやめましょう。

もちろん、文章の上手下手を競うコンテストではないので、
書かれているビジネスプランの内容について厳正に審査するはずですが、
ヘンなところで引っかかると肝心の内容がスッと頭に入ってきません。

 

通る申請書を書くコツ② 公募要領をよく理解して、伝える相手を思いやる

誤字脱字だらけの文章はとても読みにくいものです。
コツ①で最低限の日本語リテラシーと言いましたが、
伝える相手のことを思いやりましょう。

挿入する図もしかり。
見にくい図やグラフはNGです。
どこからか引用して貼り付ける場合、
そのままでは解像度が低かったり、字が小さすぎて使えないものもあります。
必要ない情報までいっぱい載っているグラフなどは再加工が必要です。
エクセル等で、言いたいことに合わせた項目に絞り込み、
ストレスなく読める大きさ、クリアな文字に編集・加工しましょう。

相手への敬意があれば、誤字脱字はもちろん、
論理構成、文章構成にも気を遣うはずです。
自分の想いをただぶちまければいいというものではないのです。

審査員には定められた審査項目があります。
そしてそれは、公募要領に書いてあるのです!

その意図に応える文章でなければ、審査しにくい。
低い点数を付けざるを得ないというのは容易に想像がつきますよね。

 

通る申請書を書くコツ③ 無駄な文章はないと心得よ

補助金の申請書は、項目が決められています。
「これ、何のために書くんだろう?どう書けばいいんだろう?」と戸惑う項目もあるでしょう。

しかし当たり前のことですが、審査に必要ない項目は一切ありません。
すべて、補助事業の必要性アピールにつながっているんです。

補助金の申請書を書く目的は、補助金獲得のために他なりません。
では何のために補助金が必要かというと、なんらかの事業や施策を打ちたいからです。
補助事業を実施した結果、補助金以上の効果を得られて事業目的を果たすためです。

では、そもそもどんな事業目的がある会社なの?
今どこが課題で、補助事業によってどんな効果が生まれるの?
どんなお客さんのためになるの?
どんな社会的意義があるの?

ビジョンを魅せることは、補助金申請でも必要です。

「ここまで準備できていて、補助金で後押ししてもらえればすぐ実行できて、
将来納税という形でお返しします!」という姿を見せてほしいのです。

「何を書けばいいか分からないから、なんとなくダラダラ書いた」のでは伝わりません。
無駄な文章はないのです。

 

通る申請書を書くコツ④ 言いたいことは絞るべし

あれもこれも盛り込み過ぎた結果、何がしたい事業計画なのか分からないパターンもあります。
○○について書いていたのに、次の項目で突然××について語り出し、
結局、誰のための何の事業なのか???
なんども行ったり来たりして読み直さないと理解できない文章。
無理やり社会的意義をくっつけたものによく見られます。

無理して訳わからなくなるくらいなら、言いたいことは絞りましょう。
どうしても両方言いたいなら、パッと見てスッと理解できる図解で示しましょう。
これも伝える相手に対する思いやりです。

 

通る申請書を書くコツ⑤ 自分の常識だけで語らない

逆に説明が足りなすぎるのもNGです。
審査員はあなたのビジネス分野に明るいとは限らないし、
常日頃あなたのことを知ってる仲ではありません。
話が唐突過ぎて流れが分からないと、推測で補足するしかなくなります。
わざわざググってその商品について調べないと分からない申請書もありましたが、
実際の審査で審査員はそんな親切なことはしないでしょう。
世の中のニーズや市場についてきちんと自分で分析してあることが大切です。

まだメジャーでない分野なら、誰でも分かる説明も必要です。
自分の中で有名と思い込んでいるのは実際の会話でもよくありますが、
たとえば首相レベルに有名でないと、誰でも知ってるものなんてありませんからね。

 

いかがでしたでしょうか?
難しそうだから挑戦しない…というのが一番勿体ない!
まずやってみて、フィードバックをもらうことが一番の近道です。

次に何かの補助金や助成金に挑戦するときは参考にしてみてくださいね。

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