こんにちは。中田麻奈美です。
突然ですが、本日、無事に開業1周年を迎えることができました。
これも、支えてくださる皆々様のおかげです。
いつも本当にありがとうございます。
新緑がまぶしいこの大好きな季節を記念日にしたくて、
5月に開業しました。
1年前、退職願を提出したり、有休消化の計画をしたり、
様々な事務手続きを進める傍ら、仕事の引継ぎに入り、
「実は私、会社を辞めることになりまして…」なんて
少しずつ周囲に話したりしていたことを思い出します。
社長の立場で振り返ると、
やはり寂しいものがあっただろうなとも思います。
少なくとも、10年近くを共にし、
「坊ちゃん」と古参社員から小馬鹿にされていた時代から密に側仕えをしてきたわけです。
社長が後継者となって進めたかった変革を、
イノベーターとして真っ先に受け入れ、
やがてみんなが躍り出すまで先頭に立って旗を振り続けていました。
同志でもあり、花形部署の中堅でもあった社員を失うというのは、
今にして思えば本当に辛いことだっただろうなと。
すでに転職活動を始めた新社会人たち
実はこの春、そんな切ない思いをする社長が増えるのではないかと思われる記事がありました。
5月15日の日経新聞の朝刊には、「新社会人の転職活動増」という、目を疑うような記事が掲載されていました。
例年なら転職活動が一服するはずの4月の転職市場では、
転職希望者が前年比2割増しで増えているというのです。
中でも、転職サイトに登録する新社会人の割合は、ここ数年毎年、倍増。
まだ5月半ばというのに、入社した途端退職したい方もいらっしゃるとか。
「思っていたのと違った」
「研修の内容がイヤだった」…などなど、
オババ世代から見たら「そんなことで?たった1か月半で何が分かるのか?」と
思わずおせっかいなお説教を垂れたくなるような理由だったりもするわけですが、
そのくらい超絶売り手市場ということなのです。
企業側も必死です。
「離職防止」についても連日記事になっています。
5月11日付の日経新聞の朝刊では、ズバリ「新入社員、辞めないで」の見出し。
「日本一の舞台でスタートを」と入社式を清水寺で行ったり
「背中を見て学べ」から「手取り足取り」に切り替えたり、
キャリアカウンセラーの定期相談、
内定段階で希望勤務地を予約できるなど、
あの手この手で離職防止を図る企業が紹介されています。
5月14日付の日経新聞朝刊には、
「若手の離職防止は組織見直しから」ということで、
NPO法人老いの工学研究所理事長が「小手先の対策ではなく、会社の組織風土から見直そう」と呼び掛けていらっしゃいました。
若手の早期離職は、入社前のイメージとのギャップ、会社や職場の先輩に対する幻滅・不満が原因であると。
脱・標準化主義
脱・形式主義
脱・修行主義
を唱え、「あるべき新人像」の押しつけや、無意味な形式的仕事、
心身鍛錬の修行的仕事からの脱却を推進しておられます。
まさにその通りだと思います。
離職防止のために必要な「自律的な貢献意欲を引き出す上司力」
以前も書いたように、いまどきの新入社員は
「仕事のマニュアルや説明がない」
「仕事をだらだらやる」
「データに基づかないアナログな判断が多い」
といった先輩の態度に驚きを感じるのです。
私もかつて新卒の後輩に遠慮なく突っ込まれました。
「それ、無駄じゃないっすか?こうすればいいのに。」と(笑)
それを「生意気だ」などと押さえつけようとする輩もいました。
そのような「べき論」の押しつけは、組織の硬直化を進めるだけになってしまい、
せっかくの新陳代謝の機会も、ただ年齢が若返っただけになってしまいます。
若手の素朴な疑問や、みずみずしい発想は、生産性向上や働き方改革にもつながる見直しのチャンスかもしれません。
少し前になりますが、3月20日付の信濃毎日新聞の朝刊では、
「心の病 若手社員で急増」という日本生産性本部の調査結果が紹介されていました。
うつ病などの心の病にかかる10~20代の社員が急増しているというのです。
超売り手市場で採用確保を優先するあまり、実際の仕事量などを正確に伝えず、
入社後にギャップに苦しんで病んでいるのではないかという推察の一方で、
「仕事に見合ったポストや権限を与えられずに不調に陥る人が増えている」
という分析結果が伝えられています。
「ほめて育てる」が主流の時代に育ち、
認めてあげれば貢献しようという意欲も高いのが若者の素敵なところではないでしょうか。
仕事の意義やビジョンを、上司自身が夢を持って語り、
一人ひとりが自律的に自分の役割を果たそうとする力を引き出してあげるのが上司の仕事になってきますね。
まとめ
・4月以降も採用意欲が衰えず、新社会人すらも転職活動が増えている
・新卒若手の離職防止は、小手先の対策ではなく、組織見直しのチャンス
・過剰な仕事に押しつぶされるだけでなく、任される仕事が軽すぎても病んでしまう。
自律的に貢献意欲を引き出してやりがいを持たせることがカギ。