こんにちは。中田麻奈美です。
前回の記事では、6月1日から経団連ルールでの面接が解禁になり、
同時に内定辞退のピーク期を迎えることについて書きました。
そして、タイミング別に辞退理由も異なり、タイミング別の辞退防止策を打つ必要があることもお伝えしました。
面接前に「思っていた仕事と違う」と言わせない!面接辞退を防ぐコツ
まず、面接前の辞退対策です。
会社説明会に行ったものの、面接を辞退した学生は8割近くにのぼります。
もう一度面接前の辞退理由を見てみましょう。
出典:株式会社アイデム 人と仕事研究所(2018就職活動に関する学生調査(2017年4月1日状況))より筆者編集
「仕事内容が希望に合わない」というミスマッチは、
学生側(求職者側)の都合なのでどうしようもないようにも思えます。
しかし、就活段階でやりたいことがハッキリ決まっている学生がどれほどいるのでしょうか。
一度社会人経験を積んだ転職組でさえ、転職活動開始時には希望する仕事が決まっていない人が7割という調査結果もあります。
昨年度5月調査で、86%の学生が第一希望の会社があると答えていますが、
内定後も就活を続ける理由として、「他にもっと自分に合う企業がある気がする」という思いもあるようです。
出遅れた企業も、このあたりを攻めることでチャンスがありそうですね。
出典:株式会社アイデム 人と仕事研究所(2018就職活動に関する学生調査(2017年5月1日状況))より筆者編集
コツ1:「もっと自分に合う企業」と思える雰囲気を作ることで、志望度を上げる
信濃毎日新聞では毎週金曜に「ヤンジャ(ヤングジャーナル)」という企画紙面があり、
若手会社員の紹介コーナーがあります。
仕事内容や1日のスケジュール、会社概要、社長や人事からの会社紹介コメントに加え、
紹介された若手社員さんからの就活アドバイスが掲載されます。
「最初から、この業種・この会社に決めていました!」なんてことは滅多になく、
たいてい色々な業種業界の話を聞いて、やりたいことが変わっていく様子が見て取れます。
まさに、「他にもっと自分に合う企業がある気がする」に乗っかるのです。
あまり興味のなかった会社でも、行ってみたら「いいな」と思うこともあれば、
すごく志望度の高い会社だったけど、行ってみたら雰囲気が悪くてやめる、ということもあるでしょう。
前者の反応を引き出すことができれば、当初の希望と違っていても逆転できます。
まずは、ウチに応募してもらえるように、会社訪問や会社説明会での迅速丁寧なメールや受付応対、
笑顔で明るい職場、アツくて楽しさ・やりがいが伝わる仕事説明が必要です。
まだ会社説明会も続いていますが、出遅れたからこそ丁寧にやりましょう。
500人採用しなければならない大手ではないのですから、1人に届けばいいのです。
1人1人、一瞬一瞬を大切に。
コツ2:会社公式サイトには採用専用のページを作る
「面接前に、希望と違うと判断した」とはどんな状況かよく考えてみましょう。
とりあえず応募はした、書類選考に通った、その後面接までにHPやクチコミサイトをチェックしますよね?
会社HPに採用に関するページがなかったり、
情報開示が不適切だと学生は不安に思ったり不信感を抱いて離脱する可能性が高くなります。
とくにBtoBがメインの企業は、法人向けのメッセージしかないこともよくあります。
「どこよりも早く!安く!」的な。。
ウチの職場の良さ、仕事のやりがい、キャリアプラン、人材育成の取り組みが、
就活生にきちんと伝わるように見直してみましょう。
若手社員のインタビュー記事を掲載している例も多いですね。
お偉いさんではなく、ちょっと上のお兄さんお姉さん社員の活躍の様子は、
自分と重ねあわせやすく、親近感も湧くでしょう。
コツ3:相手の履歴書などはきちんと目を通して個別にメッセージを送る
いくら頭数を揃えたくても、そもそも応募資格のない人にスカウトメールを送るなど、
ロクに履歴書も見ていないんだなと思われるような一斉メールなどはやめたほうがいいでしょう。
新卒・中途を問わず評判が悪く、企業に対する不信感しか生まれません。
2000人のエントリーが殺到する大企業ではないので、
個別メッセージを付け加えるなどの一工夫をしてあげてください。
案外、こういうちょっとしたことが人の心を動かします。
逆に、こういうちょっとしたことを疎かに考えていると、一気に冷めます。
思い出してください。
長野県を志望する学生は、「家庭的でアットホームな職場で働きたい」と言っています。
妙に馴れ馴れしいのはもちろんNGですが、ぜひあたたかいメッセージを届けてください。
まとめ
・面接前は「希望する仕事と違う」という辞退が最多
・出遅れたからこそ一人ひとりを大切に、面白さが伝わる仕事説明を!
・会社の公式サイトには、検討の土俵に上がれるような採用専用のページを作ること
・応募数が少ない中小企業はとくに、一斉メールではなく個別メッセージを心がけること