こんにちは。中田麻奈美です。
株式会社ディスコによる、「6 月 1 日時点の就職活動調査」の速報が発表になりました。
2019年卒の内定率はすでに65.7%に達しています。
そのうち、約35%の学生が就活終了宣言。
速報版:キャリタス就活 2019 学生モニター調査結果(2018 年 6 月発行)
信州では、まだこれから会社説明会も予定されていますが、
状況はますます厳しくなっていると言えるでしょう。
このような状況を踏まえ、シリーズでお伝えしてきた「内定辞退を防ぐコツ」
今日は企業側としても一番困る「内定後の辞退」を考えてみましょう。
まずは辞退理由を見てみます。
いくつかのデータがありますので、比較してみましょう。
出典:株式会社アイデム(2018就職活動に関する学生調査(2017年7月1日状況))より筆者編集
出典:(一財)雇用開発センター(2017年卒大学生就職活動調査結果報告)より筆者編集
出典:株式会社リクルートキャリア(就職白書2018 -採用活動・就職活動編-)
出典:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ(キャリタス就活 2018 学生モニター調査結果(2017年8月発行))
第一志望でなければ、条件面で比較される逆価格競争に
もともと志望度が高くない=業界・職種が志望と合わないといったところでしょうか。
第一志望群でなければ選ばれない。
そして、第一志望群でなければ、あるいは第一志望群の中で内定が重複すると、
他社と条件面で比較されてしまいます。
条件面では勤務地や給与が折り合わないのが一番の理由ですが、
後出しじゃんけんでそっぽを向かれるより、
事前にきちんと事実を説明するのがよいでしょう。
内定前に希望勤務地を選択できるなどの取り組みも始まっています。
オジサンオバサン世代には信じられないことですが、
「遠距離恋愛を避けたい」という理由すらもあります。
(個人的にはほほえましく思いますが^^)
ガンガン転勤して出世したい、海外で働きたいというタイプは少なく、
共働きを前提とすれば、その後の育児サポートも見据えて実家志向が高くなるのは当然かもしれません。
では、内定辞退を回避するにはどうすればよいのでしょうか。
コツ1:選考中に志望度を上げる理由を知る
まるで第一志望でなければお先真っ暗なようにも思えますが、
実は学生側も第一志望群以外に就職を決める人が4割います。
都会の大企業志向が強い中、地方の中小企業が狙うべきはここです。
実は、2017年の調査によると、選考中に志望度が上がった企業があると答えた学生が77%もいます。
タイミングとしては、
①面接前(48.1%)
②選考中(47.6%)
③内定段階(4.3%)
となっています。
内定段階での逆転は難しいのは、内定辞退理由からも分かりますが、
面接前・選考段階で十分に志望度を上げられれば、結果的に内定辞退を防ぐことができます。
では、どんな理由で志望度が上がっていくのでしょうか。
出典:株式会社アイデム(2018就職活動に関する学生調査(2017年6月1日状況))より筆者編集
内定辞退の理由としては、社員の雰囲気などは二の次三の次でしたが、
志望度が上がる理由は仕事内容よりも雰囲気面です。
つまり、雰囲気はそこそこなら減点にはならないけれど、
良い雰囲気は加点評価になり、志望度がグッと上がることが分かります。
このことは、別のデータからも読み取れます。
下図は、応募当初にチェックした企業情報と選考過程で気になるようになった企業情報の比較です。
出典:株式会社アイデム(2018就職活動に関する学生調査(2017年5月1日状況))より筆者編集
応募前は事業内容や職種などなど、いわゆる企業概要的なことをチェックしていますが、
応募後はそういった表面的なことよりも、「会社・社員の雰囲気」「採用担当者の人柄」が伸びています。
面接や内定辞退の理由にある「活躍・成長イメージが持てない」を避けるためには、
「キャリアルートを明確にする」なども押さえておきたいポイントです。
コツ2:内定企業に対する満足ポイントを押さえる
2018年卒の大卒内定率はほぼ100%近くに達しましたが、
第一志望であろうとなかろうと、学生たちは平均2.3社の内定を獲得します。
どんな点に満足して就職先を決めたのでしょうか。
出典:株式会社アイデム(2018就職活動に関する学生調査(2017年6月1日状況))より筆者編集
ここでも「会社・社員の雰囲気」「採用担当者の人柄」などの雰囲気面が、
満足度を左右していることが分かります。
選考中に気になってくる雰囲気面でリードできれば、応募当初より志望度が上がり、
最終的に内定への満足度を高めることができます。
それが内定辞退を防ぐことにもつながってくるわけです。
また、学生は、内定企業に「満足」という回答が最多である一方、
個別にはすべての条件に満足している訳でもありません。
出典:株式会社アイデム(2018就職活動に関する学生調査(2017年6月1日状況))より筆者編集
われわれ氷河期世代から見れば破格とも思える昨今の新卒初任給でさえ、
この売り手市場では「もっと」という気持ちがあるようですね。。。
正直、松本市あたりでは主任級を上回る給与だったりするのですが。
給与以外でも、物足りなく感じているのはすべて条件面です。
つまり、
会社の雰囲気などが気に入れば、
条件面は目をつぶって全体としては「満足」という結果になる可能性が高いのです。
まあ、欲を言えばもっと条件が良ければ…というのが本音なのでしょう。
だからこそ、「もっと条件のいい会社から内定が出た」という理由での内定辞退も起こってきます。
価格競争(高額な給与)では、地方の中小はなかなか勝てません。
が、給与や休日などの条件面はあと一歩及ばなくても、
「ここで働きたい」と思える雰囲気を伝えることが絶対に必要ということです。
では、そのためにはどうすればいいのか?
長くなったので次回のブログに続きます。