こんにちは。中田麻奈美です。
先週末、長野県の伊那市で2019年卒向けの合同就職説明会が開かれました。
県内外14の企業などが参加しましたが、訪れた学生は10名。
正直言って、、とても厳しい状況です。
今週も、説明会が長野県各地で予定されており、信毎の新聞広告を賑わしていますが、
なにしろ内定率はすでに8割を超えています。
戦いは既に2020年卒を狙ったインターンシップに場を移しているんです。
イマドキの就活とインターン事情
インターンシップの参加率は、2019年卒(4年生)で85%に上りました。
つい4~5年間までは4割程度でしたが、ここのところ右肩上がりに増えています。
とにかく学生と接触しようと、1日型のインターンシップを実施する企業が増えたことも影響しているようです。
長野県の中小企業の皆様、インターンシップ対策はいかがでしょうか?
もはや就活は大学3年の夏まで事実上前倒しになっているのが現状です。
6月末時点で、2020年卒(3年生)のインターン参加率・申込率は7割です。
しかも一人平均4社以上回ります。
多くは無給ですが、長期有給インターン制度をとり、アルバイトより魅力的だと学生を惹きつけている例もあります。
ライバルはあの手この手で、減少の一途をたどる若い人財の獲得に動いています。
地方中小企業のインターン対策
こうなると人事部の忙しさは並大抵じゃないですよね。
面接などの採用活動とほぼ同時並行でインターンの準備もしなければならない。
人事部のない、ふつうの小規模、中小企業だとどうでしょうか。
総務や経理が一緒くたになっている日々の業務をこなしながら、長期的な視点でほしい人財を検討し、戦いに挑む。
受け入れる現場社員の準備も整っていないかもしれませんね。
毎年新卒を採っている会社はいざ知らず、久しぶりの新卒採用の場合、
直近の先輩社員でもインターンシップの経験がないという可能性が高いです。
入社研修でもなく、短期アルバイトでもなく、インターンシップで何をすればいいのか?
どうやって募集をかけるのか?
すべてが初めてづくしで分からない、そこまでコストをかけられないという会社も多いことでしょう。
志事を語って現場体験
多くの大手企業は、1日型のほかに3~5日型のプログラムも用意しています。
1日型だと職場体験までは難しく、仕事への理解も深まらないからです。
1日目はオリエンテーションで理念やビジョン、仕事への想いを語る企業もあります。
学生側も、実際に生産ラインに入って工程改善を考えたり、商品開発会議に参加したり、設計・試作まで体験する長期プログラムは評価が高いです。
自分がいま大学で勉強していることが、実際どういう形で社会に役立つのか気づくきっかけにもなっています。
自己分析・他己分析のグループワーク等も含まれ、その後の就活にも生きるプログラムを入れている企業もあります。
いずれにしても、ただ現場のラインに放り込むだけでは効果は薄いでしょう。
現場も困惑してしまいます。
インターンシップを通じてどんな体験をさせてあげたいのか、
どんな成長機会を与え、どんな気づきや学びを得てほしいのか、
十分に検討する必要がありそうですね。
今までの実績がなければゼロから作らなければならず、
現場負担も相当なものです。
まず間違いなく「エーッ」という反応が返ってくるでしょう(笑)
採用活動に現場社員を巻き込むメリットとは
しかし、プログラムを創るだけでも大変ですが、
実際3~5日も拘束されるのは、現場にとっては難しいことです。
ただでさえ、ラインは止まるし、バイトは急に休むし、電話は鳴りっぱなしだし、急な依頼に対応しなければならないし…という状況です。(おそらく)
そのことにまず理解を示し、労ってあげましょう。
そのうえで、もし直接採用に結びつかなくても、自社を知ってもらうことや自社のファンを増やすことの重要性を伝えてください。
採用活動は将来への投資です。
誰でもいいわけではないはずです。
「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」という格言もあります。
これは移民の話ですが、「若い・安い・元気」を重視して採用しても、本気で育てる気がなければすぐに離職してしまうのも昨今の傾向です。100%近い就職率をただき出しながら、3年以内の離職は3~4割です。
直接の後輩・部下が入ってくるのは先輩社員にとっても楽しみなはず。
一緒にプログラムを考えてもらいましょう。
自分が就活のときに苦労したことを思い起こしながら、
実際のプログラムの概要は大手のパクリでいいと思います。
そこにコストと時間をかけなくても、きっとベストプラクティスが転がっています。
自社サイトで募集している大手の概要を見てください。
大事なことは、「なんでこんなプログラム構成なのかな?」と考え、
どういう効果を狙うのか、自社だったらどうアレンジするのがいいか、社員同士が話し合うことです。
お互いの考え方を知る機会にもなるし、世代間のギャップに気づくきっかけにもなるし、意外な才能が発掘されることもあるでしょう。
実際にインターンシップをやるかどうかは個々の会社の事情もあるでしょうし、
どうしてもやるべきとは言いませんが、
採用活動に真剣に取り組むこと、そこに社員を巻き込むことは、
結局今いる人財の人材育成につながるのだと思います。
まとめ
・大手の採用活動は2020年卒向けのインターンシップが中心に
・採用活動に社員を巻き込むことで人材育成につながる
・人手不足の地方中小企業で現場社員を巻き込む場合は、まず労いと共感できる趣旨説明を