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人材育成と採用はどちらが先なのか

同友会でもよく話題になります。
「人が採れない」「採用難だ」と。
来年の目標は「採用力の強化」といった文言が並びます。

では、採用と人材育成はどちらが先なのでしょうか。
今日は採用と人材育成の関係について考えます。

 

優先すべきは今いる人財の定着率を上げること

 

あえて「人財」と「人材」と書き分けているのは意味があります。
財には宝という意味がありますよね。
いるだけで宝という考え方です。

材には素質に近い意味があります。
宝である人の無限の可能性を育てる、素質を伸ばすという考え方で人材育成と書いています。

 

さて、私は採用も非常に重要なことだと思いますが、育成はもっと重要と考えます。
人材育成の仕組みがないと、定着しないからです。
せっかく採用してもすぐに辞めてしまいます。

1人採用するのに50万~60万円のコストがかかると言われていますが、
早期退職は痛手でしかありません。

平成27年7月発表の「長野県人材育成ニーズ調査報告書」によると、
人材育成に課題があると感じる理由について、

1位:人材育成にかける時間がない(66.4%)

2位:指導する人材が不足している(64.9%)

3位:社内に統一された指導マニュアルがない(43.3%)

4位:人材育成をしても、すぐに辞めてしまう(29.9%)

といったものが挙げられています。
約3割の企業で、育ててもすぐ辞めることが課題となっているのです。

もちろん、人の流動性を高めて新陳代謝を活性化する考え方もあります。
そのような企業文化の会社では、長居は無用です。
そのほうがうまくいく会社もあると思います。
ただ正直に申し上げて、人材流動性が高い会社のやり方は、私は得意ではありません。

ナカミ創研がお手伝いしているのは、
どちらかというと家族経営的で、長期的な雇用を前提にしている企業様です。

採用した人が定着してくれることが目標です。

受け皿が用意できていない状況でがむしゃらに採用活動に取り組んでも、
思ったような成果が上がらないのではないでしょうか。
底の抜けた柄杓で水をすくうようなものです。

今いる人財の定着率を上げること、そんな魅力的な職場を作ることが優先と考えます。

 

人材育成を仕組化できないとあらゆるコストが上昇する

私の古巣も含めて、多くの中小企業の現場では、人材育成が場当たり的だと感じています。
経営理念やビジョンについて全く触れられず、安全衛生教育や就業規則の説明に終始し、
「いつものコース」を回らせて、配属先に押し込む。

教育担当者は、何を教えるべきか把握しているでしょうか。

新卒入社研修、中途入社研修、パート入社研修、フォローアップ研修、中堅幹部研修など…
おなじ現場でも立場や段階に応じて学ぶべきことは違うはずです。

誰に対しても通り一遍の同じ「いつものコース」を回らせていませんか?
中学生の職場体験と同じ説明で終わっていませんか?
パートに至っては、あらゆる教育をカットして、ほぼ現場直行になっていないでしょうか。
そんな会社では、3日目からパートさんが来なくなるなんてことも日常茶飯事でした。

人材育成の仕組みがない中、誰でもいいから誰か…と焦って採用しても、
採用担当と教育担当の負担が二度手間三度手間になるだけで、誰も得をしないのです。

中小企業では、採用だけ、教育だけを担当する専任スタッフはいません。
みな、総務・経理や現場仕事を兼任しています。
定着率が低く、採用と教育が繰り返される状態では、本業に差し支えます。

人材育成、社員教育は重要な本業ではありますが、
他の業務が止まってしまい、結果残業が増える…という悪循環では
今いる人財をつなぎとめることすら難しくなってくるでしょう。

採用コスト、教育コスト、残業代…あらゆるコストの上昇圧力になります。

 

ニガテは外部の力も使って効率よくサクッと仕組化しよう

 

一言で人材育成の仕組み化といっても、業務量は膨大です。
作業マニュアルを起こすことから始めなければならない会社もあるでしょう。

レベル別、段階別に目標到達レベルを設定し、
その目標達成に必要な「教えることリスト」を整理し、
本当に分かったか、できるようになったかチェックするための評価指標を検討し、
誰が教えても同じ一定レベルの成果が出る仕組み作りが必要です。

とくに若手は合理性や効率性を重視している傾向にあります。
「背中を見て覚えろ」などという下積みを無意味に強要することは、
早期離職につながりやすい危険な行為です。

空気を読むのは得意でも、我々世代とは全く違う常識の中で生きていますので、
「当然分かるはず」という押し付けは通用しません。

これまで長年の不況で採用を抑えてきた中小企業が、
活発に採用に乗り出したのはここ数年のことです。
人材育成に不慣れなのは当たり前とも言えます。

「コストをかけずに自社でやりたい。」という声もありました。
これも当然のことだ思います。
しかし、待ったなしの採用、その前に整えるべき人材育成の仕組み化に手が回らないなら、
外部の力を使って効率よく解決する方法もあるのではないでしょうか。
時間と手間をお金で買う考え方です。
一度仕組み化してしまえば、あとは自社でいかようにもアレンジできると思います。

時間をかけて手探りでやるもよし、外注してサクッと効率よく解決するもよし。

あなたはどちらを選びますか?

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