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日産ゴーンショックに見る組織風土の劣化

久しぶりのブログ更新になってしまいました。
先週、ベトナムに行っていたのですが、
その間日産のゴーンショックが起こり、またしても大企業の不正や組織風土の劣化が明るみに出たことに衝撃を受けております。
規模が違い過ぎる話ですが、これは対岸の火事ではありません。

ワンマン専務と異常昇進した愛人の行く末

こんな事例がありました。
同族経営の企業が、売上低迷のため馬力のある血縁外の部長を内部昇格で専務に抜擢しました。
それまで役員はほぼ血縁者で占められており、異例の出世でした。
就業規則の見直しや現場改善など、工場の近代化も進み、たしかに売上も回復。

しかし、かなりワンマンで横暴な振る舞いが目立つようになり、
社内での恫喝や頻繁な降格人事で恐怖政治を敷いていました。
完全に、今でいうパワハラです。

同族の後継者候補や役員は閑職に追い込み、幽閉状態。
一方で、本社に一緒に異動してきた愛人を露骨に異常昇進させ、
社用車はほぼ彼女の専用車になり、
一般社員に住宅手当などは一切ありませんが、
彼女のアパートは会社負担で用意しました。
彼女に嫌われたら、人事異動で飛ばされるのも当たり前。

せこい話ですが、会社のカードで貯まったポイントは彼女が使っていたとか…
書いていて信じられませんが、そんな会社もあるのです。

当然、社内の雰囲気も重苦しいものでした。
いつ何がきっかけで雷が落ちるか分からない。
圧倒的パワーの前に、誰も何も言えず、反論もできず、
トラブルがあると辞めていきました。

ひたすら、何も粗相がないように祈りながら静かにしているだけ。
創造的な発想も、時に無謀なチャレンジも生まれません。
息を殺して現状維持に努めるのが精いっぱい。

日産とは規模が違いすぎて比較になりませんが、
根っこには同じ問題が横たわっていると思いませんか?

結局、その企業も、専務の指揮で一定の成果は上がったものの、
人材流出や社員の士気低下などの負の側面を無視できなくなり、
最終的には専務を解任に追い込みました。
今回の日産同様、解任の「正当な理由」の証拠を探偵を雇って集め、
愛人のアパートに一緒に入るところや、専務が宿泊していたホテルに愛人と一緒に入るところを写真に撮ったりしたようです。
不正な経費などがどの程度あったかは推して知るべしですね。

2人は、解雇されたわけではありませんが、
専務は同日に辞職、愛人も間を置かずに退職していきました。

組織風土の劣化はまともな社員のモチベーションを下げる

トップが不正に手を染めていて、
しかも社員はうわさで知っていた。
しかし誰も何も言えず、止められなかった。

これも日産と同じ構造です。

日産では現場の不正検査問題も先に明らかになっていましたが、
こうなってみると、なぜ?という疑問は愚かなものだと思わされます。

組織風土、文化が劣化している状況で、
まともな社員のモチベーションが上がるはずがありません。

トップ自ら理念を腐らせ、単なるきれいごととして飾っているだけにしていた。
「人々の生活を豊かに」
とてもシンプルなビジョンですが、
実際には「自分だけが圧倒的に豊かに」だった。

ルノーや仏政府との関係など、色々な難しい微妙な立場の中で、何か大きなものを守るための、やむにやまれぬ必要悪だったかもしれません。
真相は私などに分かるわけはなく、一般社員にも分からないでしょう。

強くシンプルなビジョンのもとに、デザイン、品質、技術開発などの各分野でのポリシーがあり、サステナビリティ戦略も持っていました。

それに沿って、日々懸命に仕事に打ち込んでいた多くの社員がいたのだろうと思います。
ゴーン会長レベルになると、もはや別世界の人で、一般社員が直接的に影響を受けることもなかったかもしれません。

しかし、トップの不正を生む土壌、誰も何も言えない雰囲気、
そういった目に見えない空気の淀みは、
確実に現場をも蝕んでいったことでしょう。
じわじわと、しかし確かに下層まで沁み込んでいく水のように。

正しい理念の浸透で、組織文化の劣化を防ぐことは、
最大のリスクマネジメントなのかもしれません。

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