商品やサービスが売れにくい時代に、なぜか売れるお店ってありますよね。
けして安いわけでもないのに、お客様から愛されているお店。
色々なマーケティング研究家が色々なことを言っていると思いますが、
私は確信しました。
最後は「ヒト」で決まると。
『愛され行員』がメインバンクの座を奪う
昨日は、某金融機関の方と同行して企業様の相談対応にあたりました。
社長もまだ若い方で、同行した行員さんはもっと若い。
なかなかにぎやかな相談会となって楽しかったのですが、
和気あいあいとした議論の中で、価格の話になりました。
曰く、当社は大手量販店のように安くはない。
その分何が違うかというと、扱っているモノの品質も違うし、
技術レベルの高さにより耐久性や見た目の仕上がりも違う。
「うちはね、安くはないんですよ。××(金融機関名)と同じだよね。ぶっちゃけ、金利高いよね。」
「でも、他行と何が違うって、やっぱりサービスの質が全然違うんだよね。」
「決算書取りに来るだけじゃなくて、こうやって頻繁に顔を見に来てくれて。」
「色々相談に乗ってくれるしね。今日のこの場(相談会)もそうだけど。」
金利以上の満足感があるとおっしゃるのです。
以前は取引行3位でしたが、今はメインバンクとしてお付き合いしているのだそうです。
企業ブランディングは、サービスの現場から生まれる
よく、企業ブランディングでメニューや店舗内装のイメージなどをリニューアルすることもありますよね。
別にそれ自体は好きにやればいいと思うのですが、
結局、接客部門が一番大切で、逆にそれさえできていれば店舗内装は二の次でいいと思うのです。
なぜなら、企業ブランドは理念が核になっていて、
理念を具現化するのは現場の「ヒト」だから。
外(お客様)から見えるのは、その企業の表面、いわば「中のヒトによって具現化された理念」です。
個人商店のような店主のキャラで売っているお店だけでなく、
何店舗もある金融機関でも同じ。
結局、最後は金利よりも人で決まるんです。
というか、金利では差別化できないということなのです。
もちろん、お金そのものでも差別化はできません。
(融資額の差はあるかもしれませんが)
どうせお金払うなら、少しでも気持ちよく払いたい。
その時に、同じ払うならこの人に…と選ばれる。
これ以上のブランディングがあるでしょうか。
別のお取引先でも、この行員さんが息子のように愛されているのを見ていましたが、
アニキ社長からも「引き抜きたい」と言われるほど信頼されている様子を見て、
「この人はこの銀行を背負って立つ次世代リーダーになるんだろうな」と感じました。
それは、二枚舌を使って出世競争に巧みに勝ち抜く…といったことではなくて、
1人1人のお客様に真摯に向き合い、身内のように本気でぶつかって、
本音で付き合っていく中で自然に「なる」ものだと。
実際の肩書うんぬんがどうなるかは分かりませんが、
お客様からの熱い支持がこの方をしかるべき場所に押し上げていく予感がします。
企業は人なり、「少々変わっていても個性があって、まわりを共感させ、引き込んでいくエネルギッシュな人を求める」というトップの言葉そのままの行員さん。
お客様とのFace to Faceのふれあいを大切に、親切ナンバーワン金融機関を目指すという会社方針そのままの行動が、実際にお客様の心を動かしています。