ビジネス系のゲームは色々ありますが、
先日初めてMG(マネジメントゲーム)を体験してきました。
もともとソニーが昭和51年に開発した経営シミュレーションのゲームです。
詳しくはコチラ
中小企業診断士の青年部6名で、部会としてやってみました。
中小企業診断士ですから、みなさん経営全般の知識、財務会計知識はあります。
前提知識の差はほとんどないのですが、やはりこういうものは性格が出ますよね。
本来、2日間で5期分の決算までやるのですが、
1日の研修だったので実質3期分しかできませんでした。
KKD(経験と勘と度胸)は有効な経営センスなのか
結果から言うと、全員自己資本を減らしてしまいました(笑)
うち2名は債務超過に(笑)(笑)
これは原因ははっきりしていて、「倉庫火災」ですべてを失った2名でした。
再建の道半ばでゲーム終了。
ちなみに私は、現役金融マンを抑えて堂々の優勝を勝ち取りましたよ!
製造業版でゲームをやったので、製造業出身の私が若干有利だったのかもしれませんが、原因は別の所にあります。
※この先、ネタバレ注意
他の人は投資を抑えて小幅な製造能力アップを選びましたが、
私は最初に借りれるだけ借りて、大型設備やPACシステムを導入。
人を増やさずに圧倒的に製造能力を上げました。
販売機会に欠品を避けるためです。
購買単価を下げるための投資、
人を増やさず販売能力を上げるための広告投資など、
攻めの経営姿勢で薄利多売モデルを完成。
販売機会に在庫があればとにかく売る。キャッシュ化優先。
購買単価も安くできるチップを持っているので、
みんなが敬遠する高い材料でも製造能力いっぱいまで買って在庫を作る。
私がじゃんじゃん借金して投資するのを、
みんな「リスクテイカーですね」と笑っていましたが、
最終的には投資したもん勝ちでしたね。
2期目、3期目にはみなさん設備以外は投資に打って出てきました。
しかし、私の販売個数が圧倒的。
それだけ製造能力があったからです。
もちろん、火災などの大きなリスクカードを引かなかった運の強さもあり。
KKD(経験と勘と度胸)経営も、意外と悪くないです^^
もちろん、実際の経営がこんなに簡単なものじゃないことは百も承知ですが。
引き継ぐものがある強さが初期投資でのアドバンテージ
実際、製造業の会社を経営している人はいませんでしたが、
製造業社長の気持ちを疑似体験することができました。
投資は怖い。
借金もしなければならない。
でも行かなければ小物で終わる。
人も雇わないと製造も販売も天井が見えている。
しかし上手に配置しないと遊んでる人に給料を払わないといけない。
仕入先や販売先をどこにするか、
いくらで売るのか、他の人はいくらで出してくるのか。
最初にガンガン投資したのが勝因ですが、
実際の経営でゼロから製造業の会社を立ち上げて、
土地・建物・設備を整え、人を雇用し、絶えず研究開発しながら技術を磨き、
生産性向上のための投資もしていくというのは、
相当の覚悟と練りに練った計画・勝算がなければ踏み切れません。
やはり最後は度胸です。
そう考えると、やはり引き継ぐ基盤がすでにある後継社長は有利。
たとえ老朽化していていも、とりあえず土地建物や設備があります。
設備更新や建物の改修、いずれは建て替えの費用もかかりますが、
すでに仕入先や販売ルートを確保しているのも強みです。
技術の蓄積や、ノウハウを持った人もいます。
とくに人手不足の昨今、採用コストや育成コスをかけずに
人財を確保できているのは圧倒的な強みです。
ゲームでは採用コストと配置転換時の研修コストしかかからず、
わりとすぐ即戦力として活躍することになっていますが、
実際には育成コストもかかるし、最初はアウトプットの質も量も知れていますから。
これは社員研修としても面白いゲームだと思います。
ある程度の会計知識があったほうが経営の疑似体験として楽しめますが、
知識ゼロでもゲームとして経営のカンは試せます。
次回は、親子版で4年生の娘も一緒に参加したいと思います。