2020年卒すでに内定率5%の今、やるべきこと

 

先日、中小企業家同友会の3支部合同例会に参加してきました。

折しも、2020年卒の内定率が早くも4.7%というニュースが流れる中、
『社員の成長と会社の役割』というテーマで、
(株)コーケンの山崎社長よりご報告をいただきました。

初めての新卒入社、そして3期連続の全員離脱…

山崎社長は内部昇格の2代目で、職人気質で個人の集団だった会社の現状打破と、慢性的な人手不足解消のために、新卒定期採用に踏み切ります。

中途採用しか経験がなかった中、本当に新卒が来てくれるのか、
本当に毎年採用できるのか、Rナビに払う契約料の費用対効果は見込めるのか、
ドキドキしながら採用活動に挑んだと言います。

そして平成18年春、めでたく初めての新入社員3名を迎えることになりました。

ところが。

1期生から3期生まで、結局全員が退職してしまいます。

 

なぜか。

山崎社長は以下のように分析されていました。

①即戦力化を焦って、十分な育成期間を取らなかった

②職人気質で「背中を見て覚えろ」な現場に育成を任せっぱなしにしてしまった

③将来を見ずに、「今」しか見ていなかった

そして結局、中途採用に戻り、それでも育成の仕組みがないために離職率が高い状況が続いたといいます。

いかがでしょうか。
あなたの会社でもお心当たりはないでしょうか。

ちなみに私は、「私の前職の会社のことかしら?」と思うくらい似た状況でした。

当時40代以上の人は新卒採用だったものの、
20~30代は欠員補充の中途採用ばかりが続き、イマドキの新卒採用の経験はほとんどありませんでした。

教育カリキュラムもプログラムも特になく、
基本的な安全衛生や就業規則の説明の後は、
「とりあえず」現場に放り込まれ、任された現場も何を教えるべきか分かっておらず、本人も何を学ぶための現場研修なのかイマイチ分からない状態。

「背中で見て覚えろ」とまでは言われませんでしたが、
「とりあえず」やってみよう、「とりあえず」いってみよう、
すべてが場当たり的なOJTでした。

初めての新卒を迎える時、
「このままでは絶対に新卒が潰れてしまう。」と危機感に駆り立てられて教育プログラムを作ったのが人材育成に興味を持つきっかけでした。

 

本気の信念だけが浸透する

コーケンの山崎社長は、新卒が全く定着しない状況に陥ってはじめて、
「育成・指導する人を育成しなければならない」と組織改革の必要性を痛感しました。

その後の取り組みは、本当にコツコツと時間をかけて土壌を耕すところから始まっています。

どんなことでも、どんな会社でもそうですが、
何か新しい取り組みが始まると必ず反対する人が現れます。

倫理法人会の朝礼を取り入れて、「職場の教養」の読み合わせをしたり、
1分スピーチで人前で話す訓練を始めると、
「そんな暇があったら1件でも営業に行ったほうがいい」と。

しかし、山崎社長は信念をもって継続しました。

すると少しずつ、社内のあいさつの声が大きくなり、雰囲気が変わっていったといいます。

本気の理念、本人が本当に信じている信念だけが、人を動かすのだと思います。

逆に、業務日報をつけさせて、その日のコメントを書くように指示したところ、
なかなか社員はコメントを書かなかったそうです。

ある日、ふと気づきます。
「社長である自分がコメントをちゃんと読んでいないじゃないか」

コメントへの返答も適当でやっつけ仕事でした。
だから社員もやらされ仕事でコメントしてくれないんだ…

それから毎日、業務日報をしっかり読み込み、心を込めて返信し続けました。
すると、徐々に社員のコメントにも変化が現れ始めます。
嬉しかったことや悩みも書いてくれるようになったのです。
日報から業務改善や新しいビジネスのヒントにもつながっていきました。

今、山崎社長は人材育成の一環として、新卒採用や新人育成プログラムも社員に任せきっています。
教える人が一番学ぶからですね。

 

2019年卒の内定率は、統計がある1996年から過去最高の87.9%です。
2020年卒は冒頭でも言いましたが既に内定率5%です。
何らかの採用選考活動をした人は解禁前の今、3割に上ります。
今後ますます採用競争は激化していくでしょう。
今いる人財を最高に輝かせる職場、育成の仕組みを作っておかなければ、
採用コストだけが消えていく
ことになりかねません。

今のうちに何とかしたいと思われたら、私たちも一緒に考えさせてください。
人事部ナシ、教育体系ナシでもきっとできます。
一緒につくっていきましょう!

 

 

 

 

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